「1時間、音楽に耳を傾ける」カゲプロが変えた若者の音楽鑑賞文化
カゲプロ以後の物語音楽
カゲプロの成功後、VOCALOID周辺では、複数の楽曲、キャラクター、小説を一つの世界へまとめる作品が相次いでヒットしました。
うたたPの「こちら、幸福安心委員会です。」(2012)をはじめとする「幸福シリーズ」では、幸福を強制するディストピアを小説へ広げ、さらに小説の世界と直接リンクする新曲を付属CDへ収録するなど、楽曲と物語を相互に補完させる展開を行いました。
れるりりの「脳漿炸裂ガール」(2012年)などが収録された、れるりり総合プロデュースの『地獄型人間動物園』(2013年)も、複数のボカロPが参加し、現代社会を生きる少女たちを共通する世界観の中へ配置したコンセプト・アルバムとして制作されています。
れるりりの「脳漿炸裂ガール」(2012年)などが収録された、れるりり総合プロデュースの『地獄型人間動物園』(2013年)も、複数のボカロPが参加し、現代社会を生きる少女たちを共通する世界観の中へ配置したコンセプト・アルバムとして制作されています(音楽ナタリー,2020)。
【初音ミク&GUMI】脳漿炸裂ガール【オリジナル】
Last Note.による『ミカグラ学園組曲』は、楽曲ごとに異なる部活動や登場人物を描きながら、全体として一つの学園世界を形成し、小説、漫画、アニメへ展開しました。
このように、カゲプロ以後のVOCALOID周辺では、別の楽曲、小説、漫画、アニメへと作品世界を広げ、そこで得た情報によって再び楽曲の意味を読み直す構造が、一つの有力な作品形式となりました。