70年代ロックから受け継がれ、アニソン、VOCALOIDをつなぐ曲構成「アジカン・wowaka形式」
日本のロックにおける重要な例
日本の音楽における重要な例が、前のセクションでも挙げた ASIAN KUNG-FU GENERATION による1stアルバム『君繋ファイブエム』(2003年)です。その収録曲の半数にあたる6曲(#1、#2、#5、#6、#8、#11)で、アジカン形式が使われています。
このアルバムを通じて同形式に触れた聴き手や、後続のミュージシャンは少なくなかったと考えられます。
さらに、この形式は初期作品だけに限られず、後年の代表曲である「リライト」(2004年)や「ソラニン」(2010年)などにも確認できます。したがって、これは一時的に使われた構成ではなく、ASIAN KUNG-FU GENERATIONが継続的に用いてきた代表的な楽式の一つと捉えることができます。
この構造は、その後の日本のロックにも繰り返し見られます。イントロで提示したリフをAメロの後に再び演奏できるため、リフを中心に組み立てられるロックとは相性が良かったのだと考えられます。
ただし、日本のロックを代表するほど一般的な楽式になったわけではなく、定番の構成の中に時折現れる程度です。頻繁には使われないからこそ、イントロのリフが戻ってきた瞬間が印象に残りやすい構造ともいえます。