【VALORANT】温故知新(2)――第1期「チョークをどう越えるか」
リリース~First Strike――システム化されたセットプレーの発展
2020年9月、Patch 1.07で
のフラッシュポイントは2回から3回へ増加した。Riot Gamesはこの変更について、ブリーチを「攻撃時のエントリーと敵ユーティリティの突破」に使えるエージェントにしたいと明記している。
ここから急速に発展したのが、
フォルトライン/フラッシュポイント+
リコンボルト →
テイルウインド強襲という組み合わせである。
その象徴となったのが、アジア大会AfreecaTV Asia ShowdownでVision Strikers(後のDRX、KIWOOM DRX)が見せたセットプレーだった。Vision Strikersは当時の日本王者Absolute JUPITER(後のZETA DIVISION)に対して、圧倒的な制圧力を見せた。
特に、以下のラウンドで見られるようなアビリティ合わせは衝撃的だった。
この![[ジェット]](https://amboxambo.com/wp-content/themes/amboxambo/assets/images/valorant/agent/Jett.png)
![[ブリーチ]](https://amboxambo.com/wp-content/themes/amboxambo/assets/images/valorant/agent/Breach.png)
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という構成は、普及させたVision Strikersの名にちなんで「VS構成」と呼ばれるようになった。また、防衛側で複数人がアビリティを合わせながら前方へ出る逆プッシュについても、当時の日本では「VSプッシュ」もしくは単純に「VS」と呼ばれるようになった。(後に「Pacificプッシュ」と呼ばれる防衛側の戦術に発展する)
極めつけは、その後の日本大会 EDION Valorant Cupである。同大会ではブリーチの採用率が95%に達し、様々なチームによる
の斬新なアビリティ合わせが披露された。8月のGALLERIA GLOBAL CHALLENGE 2020は15%、A.W. EXTREME MASTERS Pro Invitationalは32%、Mildom Mastersは51%だったため、短期間で爆発的に普及したことが分かる。そしてAbsolute JUPITERがVS構成に敗北したことで、その戦い方は日本でも最大のブームとなった。
このブームがここまで急速に広がった背景には、ブリーチを起点とする戦術がCS:GOのフラッシュを使ったチームプレイと非常に似ており、当時の競技シーンに多かったCS:GO出身者が順応しやすかったという点もあったと考えている。
そもそもVision Strikers自体が、韓国のCS競技シーンで長く活動してきた選手を中心に結成されたチームであり、stax、glow、Rb、k1Ngの4名およびコーチのtermiはCS:GO時代にMVP PKで同じチームに所属していた。残るZestは韓国チームGOSUに所属しており、余談だがそのロスターには後にVision Strikersで再びチームメイトになるstaxのほか、後にGen.Gで『VALORANT Masters Shanghai 2024』を優勝するLakia、HSKも所属していた。
つまりVision Strikersの戦術は未知のゲームで突然現れた全く新しい概念ではなく、Counter-Strikeシリーズで20年以上にわたって繰り返されてきた戦術の文法を、
というエージェントを介してVALORANTへ翻訳したものだったのである。そのため、当時の日本のCS:GO出身選手にとって戦術の理屈や意図そのものは理解しやすく、短期間の練習でも自分たちの戦術へ取り込むことができた。こうした戦術上の共通知識を、当時の日本の選手たちがCS:GOから既に持ち込んでいたことも、
が短期間で爆発的に流行した一因であったと考えている。