【Vertigo 第2回】mousesports vs G2 から考える、ミッドの攻め方・守り方とは

はじめに

アンボと申します。

前回、Astralis vs Liquid の試合から出した結論の1つとして
・ラウンド終盤の少人数戦のために、ミッドを取っておくと戦術が広がる
・本命Bの場合も、A坂やミッドは取れるなら取っておいた方がいい

 などと言いましたが、僕自身、肝心のミッドの取り方・守り方を何も知らず、MMなどでミッドを強く取ってくる敵にいつもボコボコにされ、泣いている始末です。

(だってプロほとんどやってないもん)

そこで今回は、プロで唯一ミッドを厚く取っていたmousesports(以下、Mouz)のミッドの守り方、攻め方を、G2 vs Mouz の試合を通して学んでいきたい思います。

前回を読んでない人はこちら↓

 

守り方

Mouz はミッド守りに重点を置いていたようで、10ラウンドも初手に2人配置していました。

そして、そこから投げ物を厚く使い、ハシゴ部屋を取る動きをほぼ毎ラウンド行っていました。

(Ast vs Liq で、Ast が初手に2人配置していたのは 2ラウンドのみ)

このハシゴ部屋を取る一連の流れ、名付けてラダーコントロールはどういったものなのか、状況別に分けてみて、細かく見ていきたいと思います。

 

事例

①敵の気配・反応がない場合

[CS:GO Tactical POV] Vertigo CT – Mid Setup by mousesports 1/3 [StarLadder Berlin Major 2019]

エントリー(frozen)

・敵にエレベーターを取らせないために、通路にスモークを投げ、スモークを抜けてくる敵をケアするために、グレネードを投げる。(2つ投げている場合もある)

・エレベーターを取り、ハシゴ部屋全体を燃やす。

サポート(woxic)

・エントリーをハシゴ部屋に突入させるために、フラッシュを投げる。

エントリー(frozen)

・ハシゴ部屋を取る。

サポート(woxic)

・通路にスモークを追い焚きする。

誰とも会敵せずハシゴ部屋が取れた例です。

敵のアクションが無いので、ラダーコントロールはこれで終わりです。そのままハシゴ部屋をキープしてもいいですが、この場合は敵がエコだったので、事故を避ける意味でも引いてもいいでしょう。

余談ですが、僕の経験上、①のスモークやグレネードを投げている間に敵が突っ込んでくることがあるので、後ろのサポートがエントリーをカバーするのは非常に重要です。

 

②通路に敵の気配・反応がある場合

[CS:GO Tactical POV] Vertigo CT – Mid Setup by mousesports 2/3 [StarLadder Berlin Major 2019]

エントリー(frozen)

・スモークからのグレネード。(同じ)

敵の焼夷弾のせいで、ハシゴ部屋前まで侵攻できない。

・通路からエレベーターへ抜けている or 抜けそうな敵をケアするためにフラッシュを投げる。

サポート(woxic)

・通路にスモークを追い焚きする。

…後は同じ。

通路側から敵のアクションがあった場合ですが、大筋は①と同じです。

燃やされてエレベーター前まで出れないので、フラッシュを投げる作業が追加されます。

同時に、スモークの時間も稼がれてしまうので、ハシゴ部屋に突入する前にサポートがスモークを投げるのも変更点です。

 

③途中でラダーコントロールをやめる場合(ミッドを明け渡す場合)

[CS:GO Tactical POV] Vertigo CT – Mid Setup by mousesports 3/3 [StarLadder Berlin Major 2019]

サポートが①②と違って karrigan なため、投げ物を投げる人は若干ゃ違いますが、投げている順番は②と全く同じです。

その後、frozen のヘルスポイントが無くなり、敵のカウンターも厚く、失敗しそうな雰囲気が出ていたため、ラダーコントロールをやめる結果になったのかと思います。知らんけど。

更に注目すべき点は、ミッドを明け渡す場合は土嚢に1人残るということです。

また、Mouz は隣のB守りの2人が階段を取っているので、B階段が取れているなら窓を使ってもいいでしょう。

土嚢は燃やされない限り強いポジですが、敵が直前にモロトフを使っているので、土嚢が燃やされる可能性は高くないと思われます。

(Ast がやってた完全なAセットに必要なモロトフは4つなので、ミッドで2つ使われるとアドバンテージを得られるかもしれない)

逆に、もし敵が土嚢を燃やしてきたら、ミッドへ攻勢を強めている証拠なので、A坂なりB階段なり、どんどん詰めていきましょう。

詳細:

Liq の敗北に学ぶ、CTの守り方で重要な点
①前目で守るチャンスがあれば、前目に詰める。

https://amboxambo.com/%e3%82%b2%e3%83%bc%e3%83%a0/%e3%80%90vertigo-%e7%ac%ac1%e5%9b%9e%e3%80%91astralis-vs-liquid-%e3%81%8b%e3%82%89%e8%80%83%e3%81%88%e3%82%8b%e3%80%81major-berlin-2019-%e3%81%a7%e3%81%ae%e3%82%b9%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%83%80%e3%83%bc/

例)Avanger vs Renegades の11ラウンド目

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土嚢までミッドを取られた後の配置。1-2-1(実質 1-1-2?)

ミッドを取られてしまったものの、Aを前目に守っていた jks がA坂に侵入してきた敵を抜いて勝利します。

以上のことをまとめると、

最終的にハシゴ部屋が取れなくても、敵にモロトフを使わせるようになれば強い。

B階段が取れていると、ミッド守りを厚くできる。

 

余談

しかし、Mouz はラッシュ警戒をしているような様子はほとんどなく、正直、ラッシュ来たらどうするつもりなんだろう・・・って思ってました。

ラッシュを警戒しつつもハシゴ部屋を取る例を、丁度 Liq がやってたので、これも参考例として挙げておきます。

 

④番外 敵のラッシュを警戒しつつハシゴ部屋を取る場合

[CS:GO Tactical POV] Vertigo CT – Mid Setup by Team Liquid [StarLadder Berlin Major 2019]

エントリー(EliGE):エレベーターを燃やし、通路にスモークを炊く。

サポート(NAF):ハシゴ部屋を燃やす。

エントリー(EliGE):壁を抜く。

サポート(NAF):壁を抜く。

エントリー(EliGE):ハシゴ部屋に入り、ハシゴ下と戦闘する。

サポート(NAF):通路にスモークを追い焚きする。

Mouz と違う点は、当然ラッシュを警戒している点でしょう。

初手に NAF がフラッシュを避けるため、箱に視線を向けている点からも読み取ることができます。

また、サポートがアサルトライフルなので、壁抜きが2人でできるのもポイントです。

チームで決めた配置や、指揮構想によって好きな方法を選べばいいでしょう。

僕が好きなのは Mouz 式ですね。

ミッドを前目で守ると、遮蔽物がないため、どうしてもエイム勝負になってしまいます。

ゆえに、一撃でキルできる AK や AWP が有利だと思います。

そういった要因で、僕はミッド守りには AWP に付き添って欲しいです。

(ショットガンも良いですね。ラッシュを止めた経験があるので)

 

まとめ

・ハシゴ部屋まで取ろう!

・B階段を取ると、ミッド守りが楽になる!

敵がミッド厚めなら、AやBは詰めよう!

 

攻め方

前提知識

まずは守備時によく使われるポジションを把握しておきましょう。

土嚢
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間違いなく使用率 No.1。

燃やされない限り強いです。(=燃やさないとケアできないほど強ポジ)

 

f:id:amboxambo:20190913161648j:plainB階段が取られているなら、要注意ポイントです。

逆に、B階段が取れていて、B階段から圧をかけていると使われることはないでしょう。

=B階段を取ることで、ミッド攻めも厚くできる。

 

ドア前

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知っていると決め打ちポジ、知らないと何も対応できないポジなので、必ずケアしましょう。

敵のBからAへのローテ狩りをする場合に、このポジが使われることがあります。

 

T字

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ほぼA。

AWP で置かれると必ず1キル取られてしまうので、ここは必ず射線を切りましょう。

 

攻め方のプロセス

次に、ラダーコントロールしてくる敵を引かせつつ、これらのポジを警戒しながらミッドを攻める方法を、Mouz の攻め方を参考に考えていきましょう。

①ハシゴ部屋前を取らせないために、エレベーターを燃やす。

(上の動画で、Mouz が G2 にやられているようなこと)

②それでもラダーコントロールを継続してきた場合、一旦、ハシゴ部屋を取らせる。

③通路のスモークが晴れたら、ハシゴ部屋を通路とハシゴ下で挟んでリテイクする。

(❸通路とハシゴ部屋からピークして、エレベーターを2人で取る)

④窓、土嚢などの一帯に食らうフラッシュを投げる。

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⑤土嚢を燃やす。

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⑥ドア前、T字などの一帯に食らうフラッシュを投げる。

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⑦T字を塞ぐスモークを投げる。

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敵がラダーコントロールをしてこない場合は、❸の段階から始めて結構です。

 例)Mouz 17ラウンド目(アンチエコ)

CS:GO – G2 Esports vs mousesports – Vertigo – StarLadder Berlin 2019

ミッドが取れた後は、そのまま引いてもよし、ラークが1人待機してもよし、窓経由でBへ行ってもよし、何でもありです。

作戦に合わせて、自由に動きましょう!

 

発展 ミッドの使い方

で、結局、ミッドを取ったはいいけど、どうやって使うの?

 

T目線

・ローテ狩りや、裏から奇襲をかけることができる。(=ラーク)

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サイトを破壊できるという意味でも強いですが、ミッドをしっかり見ないと事故ることを敵に分からせる意味でも有効です。

敵の注目がミッドに向くようになれば、セットがより刺さるようになります。

ただし、A坂・B階段が取れてる前提の話です。

 

CT目線

・ミッドで人数を削ることができると、セットを抑制することができる。

・B守りをカバーすることができる。

chrisJ がサイトの内回りを見ているのに対し、frozen はミッドからサイト外回りを見ている例。

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Magisk がフラッシュを投げてカバーしている例。

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両方目線

ラウンド終盤の少人数戦において、挟むことができる。

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多分、この使い方が一番強いです。

Vertigo はマップ構造が入り組んでいるため、Train と同じように、敵にバレることなく敵のすぐ後ろを取ることが容易です。

しかし、挟むためにはミッドを取ってキープしておかなければいけません。

自信がある人は、チャンスがあればどんどん敵の後ろを取ってみましょう。

いつかは、こんなプレイをメジャーで見てみたいですね。

Bに爆弾設置後、味方が残りBサイト2人確定される→窓ブーストで1人がミッドに逃げる→ドアから敵の後ろ取る

展望

多分、MMなどのルーズな試合では、こっちの攻め方・守り方が刺さると思います。

ぜひ、ラダーコントロール試してみてはいかがでしょうか。

今後は、実際に試合でラダーコントロールをやってみて、どのタイミングで引くべきなのか、どこまで詰めていいのか、などの経験を積んでいきたいと思います。

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