Hillbilly
概要
発祥:18世紀末
全盛期:1920’s末〜1940’s末
18世紀末、人口が増加したイギリスでは余剰になった人々を北アメリカ アパラチア山脈周辺に入植させていた。それらの人々が中心となって白人貧困層が形成され、山岳丘陵地帯の労働力となった。彼らはイギリス由来の Celtic Music、アルプス地方由来の Yodel、チェコ由来の Polka なども持ち込み、長い年月をかけてそれらが混ざり合い、Hillbilly と呼ばれるアメリカ民謡の基礎を形成した。
19世紀後半、鉄道網の発達や蓄音機の発明によって Hillbilly はアメリカ大陸全土に広がった。
1920年代に入ると、アパラチアのアーティスト達は出稼ぎのためアトランタへ赴き、そのため必然的にアトランタで多くレコーディングされた。大恐慌によって売上は減ったものの、ラジオ番組の”The Grand Ole Opry”が中心となって Hillbilly の発展に努めた。
影響を受けたジャンル
・Celtic Music / Ballads
・Polka
・Yodel
これらのヨーロッパ由来の伝統音楽が Hillbilly の基盤となった。
・Hymnal
ボーカルのメインメロディーにハーモニーを加えるスタイルはここから影響された。
ブルースノート、ブルース形式などはここから影響された。
音楽的特徴
楽器
・ボーカル
・フィドル等のストリングス
・ギター、スティールギター
ドラムは「騒々しい」として用いられない。
代表曲
- The Carter Family – Wildwood Flower (1928)
“The Carter Family”はアメリカの白人バンドの元祖で、ギタリストの”Maybelle Carter”は「ギターの母」、もしくはシンプルに「母(Mother)」と呼ばれる。アメリカの白人ポピュラー音楽全般に大きな影響を与えた。
彼女のギターの弾き方は革新的で、コード・ストロークでリズムを刻みつつ、低音弦を爪弾いてベース音やメロディを織り込む奏法は「カーターファミリー・ピッキング」と呼ばれ、Country や Folk などで定番の奏法となった。
『Wildwood Flower』の他にも、バラードやゴスペル聖歌など数百曲を録音し、アメリカ南東部の文化を促進させた。
- Jimmie Rodgers – Blue Yodel No. 1 (T for Texas) (1928)
“Jimmie Rodgers”は「カントリーの父」や「ブルー・ヨーデラー」などと呼ばれ、Ballads 由来である従来の Hillbilly に Blues、Yodel、ハワイ音楽の要素を加え、Hillbilly がそれまでの民謡とは違った独自のジャンルとして確立させるのに影響した。
『Blue Yodel No. 1 (T for Texas)』は当時では驚異的な数であった売上50万枚(もしくは100万枚とも言われている)を記録した。
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