Folk Song
概要
発祥:19世紀
全盛期:1963’~1964′
1940年代以降のアメリカで、民謡を編曲した上で自演するミュージシャンが台頭した。
1960年代前半、これらのアーティスト達は次第に民謡だけでなく、民謡に影響を受けたオリジナル曲も歌うようになる。生活苦などをテーマにした民謡に影響を受けた彼らは、人種差別反対、戦争反対などの社会的なメッセージを込めたプロテスト・ソングを多く発表した。
1964年頃、フォーク・シーンで活躍した“Bob Dylan”、”Neil Young”、”Joni Mitchell”、”The Byrds”などの多くのミュージシャンは“The Beatles”のアメリカ上陸に影響を受けてエレキ化したことで、Folk Song は表舞台から姿を消すことになる。
影響を受けたジャンル
様々な伝統音楽が Folk Song の基盤となった。
スコットランドやアイルランドの伝承曲を基にしたアップテンポの曲が多く、楽器には速弾きなどのアクロバティックな即興演奏が求められ、「ハイロンサム」と呼ばれるブルース感を表現する唱法がよく用いられる。ギター、フラットマンドリン、フィドル、5弦バンジョー、ドブロ・ギター、ウッドベースなどの楽器が主に使われる。また、1960年代のフォーク・リバイバルによって、Folk Song と共に影響しあった。
音楽的特徴
演奏形態
バンジョー、アコースティックギター、ウッド・ベースという楽器編成が多く、中心楽器はバンジョーであった。しかし次第にバンジョーは使われなくなり、アコースティックギターが中心的な楽器となっていった。
代表曲
- The Kingston Trio – Tom Dooley (1958)
1958年、民謡である”Tom Dooley”のリリースによってフォークソングへの関心が集まり、その後多くのアーティストが登場するきっかけになった。
- Bob Dylan – The Freewheelin’ Bob Dylan (1963.3)
- Bob Dylan – The Times They Are a-Changin’ (1964.1)
1963年『The Freewheelin’ Bob Dylan』のリリースによって、公民権運動が高まりを見せていた当時のアメリカにおいて、“Bob Dylan”は「フォークの貴公子」として大きな支持を受け、時代の代弁者とみなされていた。
1964年、『The Times They Are a-Changin’』のリリース後、過激化する運動や世間が抱いている大げさな自分のイメージに違和感を持ち、“Bob Dylan”は次第にスタイルを変化させていった。
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