Chicago Blues

Chicago Blues

概要

発祥:1950’s

全盛期:1954’~70’s末

アメリカでは1930年代から50年代に渡ったアフリカンアメリカンの大移動によって、南部の州からシカゴへ多くのブルース・ミュージシャンが移住した。

彼らはライヴハウスを始め、マックスウェル・ストリートと呼ばれる路上でフリー・マーケットと共に行うストリートライブなどでも演奏を披露した。

路上での演奏はより大きな音を出すことを必要としたのに加え、1930年代後半に生まれた Electric Blues の影響もあり、ブルースはエレキ化、バンド化へ進んだ。

 

影響を受けたジャンル

 

音楽的特徴

  • 楽式は”A-A-B-A”が多い。その場合はBパートがよくギターソロパートに割り当てられる。

 

代表曲

  • Muddy Waters – I’m Your Hoochie Cooche Man (1954.1)

“Muddy Waters”は「シカゴ・ブルースの父」と呼ばれ、当時流行していたシティー・ブルースのバンドスタイルとデルタ・スタイルを融合し、シカゴ・ブルースの基礎を築き上げた。『I’m Your Hoochie Cooche Man』はそのバンドスタイルを確立させた代表曲である。

「弱起⇒リフの休符とボーカルのフィル」から構成される「ストップタイム式」のリフが繰り返され、その印象的なリフは、ブルース、R&B、ジャズ、ロックンロールの楽曲で引用され、ブルースで最もよく知られるフレーズとなった。

 

  • Bo Diddley – I’m a Man (1955.4)

『I’m a Man』は『I’m Your Hoochie Cooche Man』に影響された楽曲の1つ。この曲がB面としてリリースされたシングルは両面ヒットとなり、ビルボートR&Bチャートで1位に達した。

著名なカバー

  • The Yardbirds – I’m A Man (1965.10)

 

  • Muddy Waters – Manish Boy (1955.6)

『Manish Boy』は『I’m a Man』のアンサーソングとして作曲された。曲名は “Bo Diddley” の若かりし頃を指していると言われている。

ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500では230位にランクイン。

 

  • Otis Rush – I Can’t Quit You Baby (1956)

“Otis Rush”はグリッサンドが特徴的なギタリストで、“Mike Bloomfield”、”Peter Green”、”Eric Clapton”など多くのミュージシャンに影響を与えた。

著名なカバー

  • Led Zeppelin – I Can’t Quit You Baby (1969.1)

  

  • Otis Rush – Double Trouble (1958)

ギタリストの”Stevie Ray Vaughan”はこの曲に因んで、自身が所属していたバンド名を”Double Trouble”と名付けた。

 

  • Magic Sam – West Side Soul (1967)
  • Magic Sam – Black Magic (1968)

“Magic Sam”は”Otis Rush”と同時期に同じレコード社であるコブラレコードで活動をしていたが、商業的には振るわなかった。

その後、”Magic Sam”は1967年に録音された『West Side Soul』と『Black Magic』の2作をリリースした後、『Black Magic』がリリースされた翌年の1969年に亡くなった。

後年、この2作は”Robert Johnson”、”B. B. King”、”Muddy Waters”、”Charley Patton”に次ぐブルースのアルバム部門の殿堂入りを果たした。

 

  • Eric Clapton – You Better Watch Yourself (1990.1)
  • Buddy Guy – Damn Right, I’ve Got the Blues (1991.7)

“Buddy Guy”は同様に”Otis Rush”と同時期に同じレコード社であるコブラレコードで活動をしていたアーティストである。

セッションギタリストとして長年活動を続ける中、1990年代初頭のブルースリバイバルの追い風を受け、”Eric Clapton”によって開催されたライブにギタリストとして参加し、再び脚光を浴びた。

翌年の1991年にリリースされた『Damn Right, I’ve Got the Blues』ではグラミー賞最優秀コンテンポラリー・ブルース・アルバム賞を受賞した。1

その後、8度のグラミー賞、グラミー賞生涯業績賞、国民芸術勲章、ケネディ・センター名誉賞等を受賞し、2005年にロックの殿堂入りを果たした。2023年のローリングストーン誌の「歴史上最も偉大な100人のギタリスト」に27位としてランクインした。

 

派生したジャンル

影響を与えたジャンル

  1. https://www.grammy.com/artists/buddy-guy/3662 ↩︎

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